24時間耐久80km歩行

こんにちは。

新留です。

先日の授業でのこと。

国語の読解のテストに恩田陸さんの『夜のピクニック』を出題していました。

本屋大賞を受賞したり、映画化もされたりと人気だった作品ですが、

設定はというと、高校生が高校の伝統行事「歩行祭」で全員で朝から24時間かけて80kmを歩くというもの。

すると、状況説明を読んだ5年生の男の子が、

「こんなん拷問やん」

と一言。

・・・たしかに(笑)

高校生が学校のイベントでみんなで24時間かけて80kmを歩く。

冷静に考えると、なぜ? という感じです。

昭和マインドな僕らはこういうのを「忍耐力が…」「団結力が…」と美談にしがちだし、

ジャンプ世代としてはこういう体育会系なノリが好きな人も多いと思いますが、

十分な睡眠時間は脳と身体のためにも大切だし、

身体が強い子も、弱い子も、持病のある子もいるだろうし、

80kmという距離に意味があるのかもわかりません。

きっと、ないでしょう(笑)

(実際、昔よくやらされた長距離走というのも、今では筋肉を鍛えるという意味ではむしろ有害と言われていたりしますし、野球選手も、マラソン選手も、走り込み、投げ込み大好きな高校野球などでも、ウェイトトレーニング主体のところが増えてきていたりします)

文中で、寝たりするための休憩所である坂の上の中学校に着き、主人公たちが歓喜する場面があるのですが、

実生活にたとえると、その子どもたちが苦労して登っている、登らされている坂の上に、目的の場所があるとも限りません。

能力を鍛える際には、意図的で、具体的なスキルを磨くトレーニングをしないと効果は少ないですが、

たくさんやっているときって満足感を感じがち。

でも、それが意味が、効果があるとは限らないのですよね。

やることが目的になっていないか、というのも、気をつけて見ていかなければいけません。

5年生の男の子の冷静な一言から、

そんなことを思ったりしたのでした。

これだから、国語って、子どもたちの意見って、おもしろいです^ ^

喧嘩カップルと昭和マインド

こんにちは。

新留です。

六甲山牧場に行ったときのこと。

北入場口を少し行った先、ヤギ舎の前あたりで若いカップルが喧嘩をしていました。

女の子が、

「私、全然楽しくない! 車の鍵かして!」

と言っています。

天気もよく、家族連れがたくさん。

ヤギもいるし、近くにはかわいいモルモットたちがいるというのに……。

ケンカの理由はわかりませんが、

ふと見てみると、どう見ても、六甲山牧場にくる服装ではない。

男性は黒と白のドレスライクな服、

女性の方はというと、お嬢さまのような格好をして、しかも、靴は厚底でした。

まるで、フォーマルなレストランに行くような装い。

少なくともヤギの前にいる格好ではありません。

男性の方が、

「みんな楽しんでるよ」

とやさしくなだめすかしていましたが、女性はかなり怒っているようでした。(僕はモルモットに夢中でした)

男性の方は、女性を普段行かないような場所に連れていってあげようと思ったのか、

彼女も疲れているだろうし動物でも見たら心が癒されるだろうと考えたのかはわかりませんが、

どうも、男性が狙ったことと女性が受け取ったことが違っているようでした。

自分の思っていた通りにうまくいかないことや、意図したこととやっていることがズレているときってありますよね。

こんな話があります。

海外のマインドフルネスやウェルビーイング、パフォーマンスの最大化についての研究の第一人者である方が、日本企業の管理職向けのセミナーの中で、

「最近、考え方を変えたことはありますか?」

と質問したところ、一人の男性が手を挙げました。

聞いてみると、その男性は趣味でバスケットボールチームのコーチをしていたそうなのですが、チームから子どもたちがどんどんやめていったそう。

「何かおかしい……」

そう思っていたところに奥さまからの一言。

「あなたって最悪のコーチね。怒鳴ってばかりいて……楽しくやらないと、子どもたちがついてくるわけないじゃない!」

その男性の指導はというと、ミスした子を怒鳴り、恐怖を与えてがんばらせるという「昭和の指導方法」でした。

その結果、怒鳴られた子は怖がり、他の子たちもそれを見てバスケットボールを楽しめなくなってしまうという状況になっていたのでした。

「いいチームをつくり、試合で勝つ」という「意図」はよかったのですが、そこに伴っている「行動」がよくなかったのです。

怒鳴っているのはわかっているのだけど、なぜ、自分はそうなるのかがわからない……そんな状況だったそう。

そこで、専門家でもある講師といっしょに心のなかを見ていくと、

「自分が厳しい環境で育てられてきて」

「子どもは厳しく育てるものだ」

「厳しく育てるからこそ成長する」

という自分の「認識」のクセを見つけられたのだそう。

そして、

認識のクセを修正するため、自分のいつもの「行動」の流れを書き出し、

「意図」と「行動」を望む結果に合ったものに変えていったそうなのです。

その結果、

チームの雰囲気はよくなり、成績もアップ。

その男性もフラストレーションから解放されたのだそう。

「意図」と「行動」がズレているときってあります。

うまくいっていないとき、本当は「選択」をし、少ないものに集中してやらなくてはいけないのに、

うまくいかないときほど、不安で行動を増やす方にしていきがちです。

でも、不安で選んだものって、大抵、本来の意図からズレているものだったりしますし、

不安でやっていることってパフォーマンスも良くないのですよね。

パフォーマンスを発揮したい場合、

ポジティブな感情とネガティブな感情の割合は「3:1」以上が良いというのがわかっています。

逆に、ポジティブの割合が「3」を下回ると、「停滞」や「失敗」のサイクルが回りだすそう。

(ちなみに、うまくいく結婚のポジネガ比は「5:1」、うまくいかなくなる夫婦の割合は「1:1」以下なのだそう)

僕もそうですが、「昭和マインド」って、ネガティブ比が高いのですよね(笑)

気合とか根性とか好きだったりします。

でも、子どもたちは「平成」生まれであり、いまは「令和」なのです。

僕らの「認識」自体を、最新の研究結果を踏まえ、「平成」「令和」へと、アップデートしていかないといけないのですよね。

「意図」と「行動」にズレがあるとき、

そもそもの「認識」が昔、自分がされたことに引っ張られたままになっていないか。

昔からそうだとされてきたものからアップデートされず、そのままになっていないか。

定期的にチェックしてみるといいかもしれませんね。

1年生の女の子が描いてくれたカップル。だれ??

きびしいことを言いました

こんにちは。

新留です。

高学年の国語の授業でのこと。

少しきびしい言葉を子どもたちに言いました。

「ちょっとやり方雑になってない?」

その日は抜き打ちで入試問題を1題解き、その場で答え合わせをしていたのですが、

答えの解説をするたびに、

「合ってた! イェーイ!」

「外れた〜〜〜」

「先生、この問題何点!?」

と答えが合っているか、何点なのかばかりを気にしているのです。

過程や中身のことは全然考えず、こちらがなぜその答えになるのかを聞いているとき、解説しているときも、

他の子が合っているか、自分は何点なのか、ばかりを気にしています。

いまの時期に実際に出題された問題をできるのがうれしいことはわかります。

実際、そのテストでも得点率が8割、9割の子もいて、

いい点を取れて他の子に自慢したい気持ちや、マウントを取りたい気持ちもわかります。

でも、あくまで今やっていることは、

どんな学校の問題でも9割取れるような、

そして、中学受験だけでなく、高校受験、大学受験、社会人になっても役に立つ揺るがない語彙力や読解力、読む技術を身につけるという「目的」があってやっている「練習」であり、

はっきり言って、いまの点数はどうでもいいのですね。

点数という結果よりも、その点数に至った過程、中身の方が圧倒的に大事。

語彙を増やし、

いつも通りのやり方で読み、

テーマや主張を押さえ、

段落や構成を意識し、

すべての問題や選択肢において、

なぜ、その答えなのか、

なぜ、この選択肢が正解なのか、

他の選択肢はどうちがうのか、どう変えれば正解なのかが言えて、

記述は答えるべきことに答えられ、充分な解答をつくる。

少なくとも部分点だけは確実に取りにいく。

その結果、満点をとれて初めて喜んでいいのですね。

いま8割取れたら良いぐらいの問題を選んだとはいえ、その出来で満足してもらっては困るのです。

ましてや、それが根拠のないまぐれ当たりだっとしたら喜んでてはいけません。

9割取れていた子たちにも、

「そんないい加減なやり方じゃ成績は安定しないし、いつか伸び悩むよ」

ときびしい言葉を言いました。

そして、出来がよくなかった子も、普段やっている通りのやり方ではないやり方をやっていたり、やり方が雑だったりしたら、そもそも点数以前の問題だとも。

不安やストレスを感じていたりで、うまくいったテストの点数に喜ぶのもわかります。

逆に、

いまいち出来がよくなく、残り時間を考えて不安になり、

地に足がつかず、いつもやっているやり方を忘れ、今までできたこともできなくなる子もいます。

でも、どちらも、いい状態ではないのですね。

やり方が雑だと、いくら量をやっても効果は薄いし、むしろ、変なクセがついたりと害になることさえあります。

たまたま結果は良かったかもしれないけれども、子どもたちに身につけてもらいたいのは、もっと上の力と技術なのですよね。

最初は「楽しさ」から入ることが大切ですが、

その次の段階では「技術」を身につけていくので、目的や目標を持って練習をしないといけません。

その際は、考えてやらなくてはいけないので大変だし、

少し上のことをやるので困難なこともあるし、

修整のための否定的なフィードバックを受けることもあるので、落ち込みやすくもなります。

そして、完全を目指せば目指すほど、できないことをできるようになるまで繰り返さなくてはいけないのでめんどくさいです(笑)

でも、まだまだこれからだし、まだまだこんなものではないはず。

最終学年、

「スラムダンク」で安西先生が将来を期待していた谷沢くんに才能を開花させるためきっちりとした基礎を身につけさせたように、

きちんと先を見据えて、やっていきたいなと思っています。

基本はゆるっとしているし、あんなにお腹は出ていないし、ホワイトヘアードでもないですが( ̄▽ ̄)

ため息でばれる

こんにちは。

新留です。

つい昨日の話。

大学生の時に働いていた個別指導塾でいっしょだった友人から「相談したいことがある」ということでzoomで話をしました。

僕が個別指導塾にいるときによくご飯を食べに行ったり、僕が個別指導をやめて集団塾に移った後もご飯に行ったりしつつ僕のあとの教務リーダーという役割をしてくれたり、

それから数十年たった今も関係が続いていて、大事な結婚式でスピーチを頼んでくれたりと、

東京で働いていたというのもあり、卒業後はそれほど頻繁に会うことはなかったけれど、帰省時や節目のときには連絡をくれる友達です。

現在、彼は奥さんの仕事の関係で海外に住んでいるのですが、子どもの学校を2つのうちどちらにするかで迷っていて相談したいということでした。

ちょうど彼の子どもの年齢の時期に伸びる力や、やり方で大切なことを話しつつ、

彼の家族が描いているビジョン、2つの学校の特徴を聞いたり、まわりからの口コミ、見学をしにいった際のやり方を聞いていると、

「あ〜こっちだな」

というのがありました。

片方の学校の様子を聞いていると、おそらく、そっちの学校だと、親的にはカリキュラムがわかりやすく設定されていたりと、不安を感じることが少なくなるかもしれないけれど、子どものマインドセットには良くない影響があるなと感じたのでした。

でも、主観的になってはいけないので、それぞれの学校のメリット、デメリット、

こっちにいくとこんな風になるだろうし、こっちにいくとこんな風になる可能性が高いですね〜なんて話をしていました。

そのことを伝えると、彼自身も、ちょうど前日、授業の見学に行った時、最初は優勢だった方から、こっちではないと感じていたことがあったらしく、

「やっぱりそうなのですね!」

と納得しているようでした。

というのは、ちょうど前日、教室での授業の様子を見学に行った時、9+4のたし算などをしていたらしいのですが、何度やってもできない子がいて、その際、先生が「は〜〜〜っ」というようなジェスチャーをしているのが見えたのだそう。

これって、先生のちょっとした反応なのですが、子どもには大きな影響を与えかねないのです。

そして、そのちょっとした行動で、先生自身がどういうマインドセットであるかがわかってしまったりするのですね。

マインドセットは子どもの幸福感や成長速度を決めるのですが、

先生やまわりの大人のマインドセットは子どものマインドセットに大きく影響を与えます。

先生やまわりの大人のマインドセットが子どもに及ぼす影響って決して小さくないのですね。

その先生は、

「できないことはダメなことだ」

というマインドセットであり、

子どもができるか、できないか、という視点で見ているのですね。

子どもがどうやったらいいか考えているのを、

「できるようにがんばっている」というプロセスではなく、「できない」という結果で見ているのです。

「できるか、できないか」

もし、まわりの大人がそういう視点でものを見ていると、子どもは「できないことはダメなことだ」と思い込むようになり、考えること、手を動かすことが減っていきます。

できない状態になること、×がつくことを嫌がるよう、怖れるようになり、

「できることしかやらない」

「できないことはやらない」

「できなさそうなことはしない」

「できないことがバレそうになってきたら、興味がない、おもしろくない」

などと言うようになってしまうのです。

何かができるようになるためには必ず通らなくてはいけない継続ができなくなり、

何かをできる自分に気づくための機会に出会うことが減り、

自己効力感、自分はやったらできるという感覚を身につけるための努力をしなくなってしまうのですね。

自分のマインドセットは「できるかできないか」型なのか、

それとも、「できるまでやったらいいし、できるようになるもの」型なのか。

これって大きいのです。

「レッテル」はお守りにもなるし、呪いにもなります。

「よくできたね」は賞賛にもなるし、「君にできるとは思っていなかったよ」という中傷にもなります。

簡単なことをやらせるのは「自分はできないわけじゃない」と気づかせるきっかけにもなるし、「君はそれくらいのレベルの子だ」と伝える合図にもなります。

見せている背中や言葉がけ、ちょっとした仕草。

いいメッセージを発している環境にいたいですね。

ヨーダ先生かく語りき

先日の高学年の授業中のこと。

「先生〜、やる気が出ないねんけど、どうすればいい?」

という質問がありました。

たとえ受験生だったとしても、自分の受験になっていなくてそんなにやる気がない子もいるだろうし、

しっかり目標があったとしても、疲れていたり、悩み事があったり、花粉症だったりで(睡眠不足になったり睡眠の質が落ちたりと、これはけっこう大きい)、やる気が出ない時もあるでしょう。

勉強はしないとできるようにならないし、してもすぐにできるようにならない時もあります。

受験というのは他の人との競争でもあるので、たとえ勉強をしていても、他の人がもっと勉強していたら、相対的に偏差値などは下がってしまいます。

それによって、余計にやる気が出ない時もあるでしょう。

やらなくちゃいけないとわかっているのにできないのは、なかなかしんどいものです。

その子の質問に対して、

「やる気って待っていたら出てくるものではないんだよ〜」

と言って、脳ってどうなっていて、どういう風にすればやる気が出るのか、脳ってどういう風に学んでいくのか、などの話をしました。

やる気って、体を動かしたり、手を動かしたり、そういえば、こういうことしたかったんだよな、そのためにやるんだよなって思い出したり……

何かをやり始めることで、出てくるものなのですよね。

かくいう、僕自身も、今このブログを、タイマーを起動させ、MacBook Airを開き、メモ帳を開いて何書こうかな〜と思いながら書いています(笑)

さて、これを読んで、

「そっか〜。じゃあ、最近サボっていたあれやってみるか〜」

とぼやっと考えた方。

スター・ウォーズのヨーダ先生の言葉にこんなものがあります。

「Do. Or do not. There is no try.」

(やるかやらないかやで。やってみるとかないねんで)

「やってみる」では弱いのですね(笑)

「やる」、というか、もうスマホを閉じて動き出している、くらいが理想です(笑)

僕と同じように行動力のなさには自信がある方、

・テレビを見る

・ネットを見る

・YouTube動画を見る

・寝転ぶ

・ソファーや椅子にもたれる

・部屋着のままでいる

と逆にやる気がなくなっちゃうので注意してくださいね。

深海魚と呼ばれた子

先日深夜のこと。

オンラインで授業や面談をすることも多くなってきたので、教室用にiPadをもう一つ買い足そうとAppleのホームページを見ていました。

Apple好きな方はご存知かと思いますが、AppleでiPadを買うと自分で考えた名前やメッセージの刻印を入れることができます。

今までは利用したことがなかったのですが、せっかくなので今回は何か入れてみようかと思い立ち、

カッコいい英語の名言を探し、小一時間ほどいろんなサイトを見ていました。

(深夜に何をしているのでしょうか)

すると、スターバックス創業者のハワード・シュルツさんの言葉が。

ハワード・シュルツさんといえば、スターバックスのことを家庭と職場につづく第三の場所、「サードプレイス」と位置づけ、独特の暖かさを持つ場所にしたいと思い、コーヒー以外のものも提供されています。

僕自身も、その考えに感化された1人で、実際、教室を作る際、デザイナーさんに、

「作りたいのはスターバックスのように、子どもたちと保護者さまにとっての家、学校に続く、第三の場所としての教室なんです」

と伝え、学習や子どもたちのコミュニケーションが活性化しやすいのか、風水や空間の環境などを見ていただくだけでなく、イメージなどもスターバックスを意識し作っていきました。

そんな縁があるハワード・シュルツさん。

アメリカのスターバックスではいちばん小さいサイズがトールらしいのですが、その理由が

「店に入って「スモール1つください」とは言いたくないだろ。「トール1つください」の方が良い」

ということなのだそう。

なるほど…かっこいい…と感動したのですが、

はたしてそんな気遣いがスターバックスの人気の秘密になったかどうかはさておき、

言い方で変わることはたくさんあります。

言い方ひとつで、相手が自分のことをどんな風に捉えているかがわかって、うれしくなったり、かなしくなったりもします。

あの時、こういう言い方をすればよかったなって感じることもたくさんですよね。

また、言い方というのはその人の思い込みを示していたりもします。

つい先日、Twitterで「深海魚」という言葉を目にしました。

中学受験などで厳しい勉強と熾烈な争いをクリアし、進学校などに入学することはできたけど、そこで燃え尽きてしまったり、学力以上の学校に入ったのでまわりのレベルについていけなくなったりして、成績が低いところから上がって来れない子のことを「深海魚」と呼ぶそうなのですが、

自分の子どものことを「深海魚」と書いている方がいました。

その言葉自体を知らなかったので、まず、そんな言葉があることにびっくりしたのですが、その言葉の意味を調べ、かなしくなってしまいました。

人ってまわりが見ているようになるのですよね。

教育心理学の「ピグマリオン効果」ではないですが、まわりがその人をどう見ているかで、成長も、サポートの仕方も変わってきます。

「深海魚」

子どものことを学校のレベルについていけない子、そんな風に見ていたらどうなるのか。子どもはそんな風に見られていて(口に出していなくても空気感でわかります)どう感じるのか。

何より、「深海魚」って検索したらわかるのですが、見た目的にかなり……ですよね。

(一部には好きな方もいるかと思うのですが)

大切な子どもをそんな風に見てしまうってかなしいことだなと思いました。

「この子はすごくすばらしい子だし、きっとできるようになる」

そう思えていれば、

今できないことも「まだ、できていないだけ」と思えるようになるし、

「どうやったらできるようになるかな」とアイデアや改善が生まれる余地ができます。

サイコセラピストのエイミー・モーリンさんによると、子どもに度を超えたプレッシャーをかけているかの5つのサインがあるそうです。

①褒めるより批判することの方が多い

②他の子と比べる

③ちょっとしたことを一大事のように言う

例)「ーしたいなら、〜しなくちゃね」

④よく冷静さを失う

⑤子どもの活動を細かく管理する

僕たち先生側も、大切な子どものために、広い視点で見られるだけの余裕をつくっていきたいなと思った出来事でした。

【冬期講習のお知らせ】テーマは「速さ・意見文・歴史」RAKUTOの冬の特別講座!

「もっとやりたかった〜!」

「次もぜったい来るね!」

と終わった後は毎回、子どもたちの笑顔!

子どもの脳と発達段階にあった学び方だから楽しいし、記憶にも残ります。

中学受験をお考えの低学年の子も、演習を重ねる前に、まずはイメージや基礎づくりが大事。

勉強に夢中になる2日間を過ごしませんか?

 

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今回、感染予防のため募集枠が少なくなっております。

ご希望の方はお急ぎくださいませ。

また、環境へ配慮し、箕面校ではチラシ折込や資料請求などは行っておりません。ホームページをご覧になり、ご不明な点などはお問い合わせください。

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【チラシはこちら】

 

【日程と時間】

12月25日(金)、26日(土)

※2日間の講座となります

※お昼を挟んで受講される方は教室で昼食をとることができます

 

【対象】

小学校全学年

 

【受講料(1教科:60分×4コマ)】

13,200円(RAKUTO生11,000円)

※RAKUTO生には複数受講割引があります

※別途、各教科教材費として1,100円がかかります

※受験用講座は教材費が異なります

 

【お申込方法】

申し込みフォームよりメールにて(24時間受付中)

(学年など必要事項をご記入の上、お問い合わせ欄に「冬期講習」と「ご希望の教科(算数、作文、歴史など)」をご記入ください)

お電話にて(火〜金14:00〜21:00)

※面談中や授業中など電話をお取りできない場合がございます。その際はご容赦くださいませ。

※冬の面談期間のため、電話はお取りできないことが多くなっております。ご了承くださいませ

0120-485-899

 

【お申し込み後の講座キャンセルについて】

お席の確保と教材の準備がございますので、お申し込み後のキャンセルはご容赦ください。

キャンセルの際の料金は以下のようになります。

開催1週間前〜2日前まで:テキスト・教材費を頂戴いたします。

前日・当日のキャンセル:受講料、テキスト・教材費全額を頂戴いたします。

 

【お問い合わせ】

ご質問やご相談、お問い合わせはメールフォームよりお待ちしております。

お問い合わせフォーム

 

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今回も内容が盛りだくさんな冬期講習。

たくさん頭を使い、手を、体を動かし、「考えるっておもしろい!」と感じる冬にしてくださいね。

【春期講習2017】ことばのわざ、ことわざ!

「うおーっ!読んでなければよかったー!!」

 

授業中、5年生の男の子が叫びました。

国語の時間に、宮沢賢治の名作『注文の多い料理店』を読み込んでいたのですが、おもしろくて、結末を知っているのが悔しかったそう(笑)

 

以前、読んだときは、特に何とも思わなかったのに、授業で、「主語や述語」、「文のつくり」、「指示語」など文法的なこともしっかり学びながら、細かく読み込み、みんなでディスカッションをしながら、先を想像したり、自分だったらどうなるだろう? どうするだろう? と考えると、文章の奥深さ、おもしろさがわかってきたのだそうです。

 

途中、

「この後、どうなるのかな…? 」

「……!! 知ってる…!!」と(笑)

 

芥川龍之介、宮沢賢治、太宰治など、授業中、古典作品を多く読みますが、これらの作家の作品には、長く読まれている理由、愛され続けている理由があり、「名作」と呼ばれる理由があると、子どもたちと毎年読み込みながら感じます。

太宰治など、ちょっと暗い話なのに、大笑いしながら読んでいたり。

 

日本語って、ほんとにすばらしい言葉だなと感じます。

 

でも、最初、RAKUTOに来た子のなかには、「国語っておもしろくない」、「国語が苦手」という子も多いです。それが、徐々に、おもしろさに目覚めていっているよう。

 

そこには、いくつか理由があるのですが、一つは、「読めるようになったから」というのがあります。

 

日本語なので、ほとんどの子は、音読をしたりと「字面は追える」のですが「内容は追えていない」のですね。そして、読めるからか、「読み方」もあまり習っていない。

 

きちんと読み方を習い「読解力」をつけ、そして、ものすごく大事な要素である「語彙力」をつけることで、文章の構造が、その作家の色がわかり、おもしろさがわかります。

 

この「語彙力」というのがものすごく大事。

 

ステップクラス以降は、「漢字」「ことわざ」「慣用句」「四字熟語」「反対語」など、「語彙力」をつけるために時間を使いますが、そうすると、「読解力」をつけるのと両輪で、説明文などの、あまり好きな子がいないものも「読める」ようになります。

 

いま、英語がこれだけ流行っていて(RAKUTOでも英語クラスがあります)、英語では、「単語を覚えましょう」と言われるのに、日本語だと、何となく、言葉として「読める」ので、わざわざ覚えようと、意味を考えようとしなくて、後回しにされがち。

 

でも、説明文や論説文、意見文などに出てくる言葉は、普段の友達や家族との会話では使わないような「言葉」(英語で言う「難しい単語」)がたくさん。

意識して覚えないと、たとえ、「読解力」があったとしても、

 

「要点がつかめているのに、要点に書いてあることの意味がわからない」

「筆者の言っていることや筆者の言いたいことを、自分の言葉で言い換えができない」

 

となってしまいます。

問題を解く際にも、選択肢から選ぶだけなら、何とかなったりしますが、「記述はできない」となったりするんですね。

もちろん、「何となく」なので、相性のいい文章や、馴染みのあるテーマの文章だったら解けたりしますが、実力があるわけではないので、成績は安定しません。

 

「語彙力」、「言葉力」というのは、「読解力」と同じくらい大事で、ついていくと、おもしろいもの。

 

そこで、この春の講習の国語のテーマは「語彙力」。

『ことばのわざ、ことわざ!』という題で2日間、集中して学んでいきます。

 

学び方は、「英語」と同じ。

 

「インプット」し、「言葉のイメージ」をつくり、

「ディスカッション」しながら意味を味わい、

言葉を使いながら「遊び」、自分でつくってみたり、「演習」も行います。

2日間で、「200語近く」の言葉にふれ、国語力と語彙力のアップを目指し、何より、言葉のセンス、言葉のおもしろさにふれてもらう予定です。

 

教育者の齋藤孝さんは著書『語彙力こそが教養である』の中で、

 

「より多くの語彙を身につけることは手持ちの絵の具が増えるようなもの」、

「語彙が豊かになれば、見える世界が変わる」

 

とおっしゃっています。

 

この春、子どたちが言葉を大好きになってもらいたいと思います。

そして、世界がより彩り豊かに見えるようになれば最高です。

 

この講座をきっかけに、子どもたちが、より、自分自分、自分の思いを表現できるようになりますように。

そう願います。

そんなお子さまのご参加お待ちしております。

 

その他、

算数講座「規則の魔法、大発見!」、

理科講座「電気のふしぎ大研究!」も。

合わせてお待ちしております。

13日(月)までのお申し込み(13日はメール受付のみ)で、

外部生も「RAKUTO生」価格でお申込みいただける「早割」、

RAKUTO生には「複数受講割引」もあります。

ぜひ、この機会をご活用くださいね。

 

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【日程・時間など】

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※前期と後期は同じ内容です

【受講料】

1教科12,960円

(RAKUTO生価格10,800円)

※各教科、別途教材費1,620円がかかります。

※2教科同時受講で1,000円引き、3教科同時受講で3,000円引き

※「早割」と「複数受講割引」はどちらかのみです

【対象】

小学校全学年

【お申込方法】

申し込みフォームよりメールにて

(お問い合わせ欄に件名「春期講習申込」と「ご希望の日程、教科、時間」をご記入ください)

②お電話にて

0120-485-899(担当:にいどめ)

【お申し込み後の講座キャンセルについて】

お席の確保と教材の準備がございますので、お申し込み後のキャンセルはご容赦ください。

キャンセルの際の料金は以下のようになります。

開催1週間〜2日前まで:事前に準備をしておりますので、教材費を頂戴いたします。

前日・当日のキャンセル:やむを得ない状況を除き、受講料、教材費全額を頂戴いたします。

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本のある環境をつくろう

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「物理学者になるにはどんな資質が必要ですか?」

2000年のノーベル化学賞を受賞したアラン・ヒーガーさんが、大学で教官に聞いた質問だそう。

その質問に教官は、

「それはね、国語がよくできることだよ!」

と答えたそうです。

「コミュニケーションがよくできないと、科学の分野では成功できないんだよ」と。

そして、ヒーガーさんは、わからないことがあったら、わかる人と組む。そして、学ぶ。という方法で、「物理学者」として、「ノーベル化学賞」を受賞。

科学はキライ、専攻したこともない、のにだそう。

学者さんが大事にしているのが「国語力」だということにおもしろいなと思いました。

 

こどもたちの学校のテストを見せてもらったり、授業中の様子を見ていると、できないのではなくて、言葉の意味がわかっていないだけ、問題に書かれている意味と聞かれていることがわかっていないだけ、ということがあります。

国語力不足。

細かく見ると、漢字力不足、言葉力不足、読解力不足です。

国語力は全ての基礎。

本を読むのも、話すのも、文章を書くのにも国語力、日本語力は必要です。

では、国語力を身につけるためにはどうすれば…?

それには、本を読むこと。

すごく当たり前な感じがしますが。

といっても、なかなかお家で読まないという声もいただきます。

「なぜなのかな…?」

と、こどもたちを観察していると、読むおもしろさを知らないだけなんだということに気づきました。

というのは、国語の時間、物語や小説を深く読んでいくと、こどもたちは興味を持ち、「おもしろいね!」と言います。

しっかりとこちらでリードしてあげれば、そのおもしろさに気づいてくれるんだなと。

昨日、授業で扱った小川未明さんの短編。

時間に余裕があったので、これでもかというくらい深く、登場人物の心情や物語の中の対比など、ていねいに読み取っていきました。

すると、5年生のSちゃんが、

「どめ君、これおもしろいね!このお話、なんて本に入ってるか調べて!図書館で借りる!なかったら、買ってもらう!」

と興味を示してくれ、いっしょにインターネットで調べました。

なんという、うれしい言葉(^ ^)

本好きとしては、本のおもしろさに気づく瞬間に立ち会えるというのはこれ以上ない喜びです。

ていねいに、深く読む。

速く、深く読む。

これは授業でできることですが、なかなかお家ではできなかったりして、保護者さまから、「どうしたらいいですか?」と聞かれたりします。

もし、お子さまに本を読むようになってほしいと思ったなら、環境づくりから取り組んでみるといいかもしれません。

明治大学文学部教授、齋藤孝さんは著書『齋藤孝の速読塾』のなかで、

「本は、背表紙がいつも見えている状態こそが重要。本の背表紙が自分の部屋の中にあってふと目に飛び込んでくる、あるいは何かを語りかけてくる、そういう知的な刺激に囲まれていることが重要」

とおっしゃっています。まずは本のある環境づくりが重要。

①リビング、こどもの部屋に専用の本棚を置く

②読まなくてもいいし、読み切らなくてもいいので常時10冊ぐらいの本を用意しておく(難易度やジャンルは気にせずに。自分でわからないことを調べられるように百科事典や辞書を用意しておくとさらに○)

③親が本を読んでいる姿、読書をたのしんでいる姿を見せる、みんなで読書をたのしむ時間をつくる

など、簡単にできることから、ぜひ、やってみてください。

公園で、どんぐり拾いやお絵かきをたのしんでいると、そのおもしろそうな雰囲気につられまわりの子たちが「混ぜてー!」と集まってくるように、大人がたのしんでいる姿を見ることにより、興味や関心を持ち、ハマってくれるかもしれません。

たくさんのこどもたちが、本を読むおもしろさに目覚めますように!

それでは、また。

写真は5年生のSちゃんの地理のマインドマップ。温泉のゆるんだ顔に癒されます(笑)