昔の良いもの、悪いもの

こんにちは。

新留です。

保護者さまと、もう昔やっていたことと、今必要な勉強ってちがいますよねというお話になることがあります。

RAKUTOに子どもを通わせてくださっている方は、自分で会社をされていたり、自営でされていたり、ちょっと珍しいお仕事をされている方が多かったりするのですが、

多くの方が、自分たちが受けてきた教育と、これから必要な教育はちがうと感じていらっしゃるなと思います。

もちろん、現行の中学入試や入試制度に対して勉強をどうしたらいいのか、と悩まれる方もいらっしゃるのですが、

難関校ほど、これは考えるいい問題だなというものが多いなと感じますし、きちんと考える勉強をやっていれば対応できたり、そこに向けての勉強がムダにならない、将来につながっていると感じることも多いです。

「賢さ」の定義が変わっているのだろうなと感じます。

昔の賢さは「IQ」のようなもの。

「IQ」といえば、「賢さ」のような感じがしますが、実は「知っていること」のようなもので、

「情報自体は探せば見つかる21世紀の将来の成功を測る物差しとしては最適ではない」とはっきり言っている心理学者などもいるのですね。

逆に、21世紀型の賢さは「知識を使って何かを生み出す」、「ワーキングメモリ」のようなもの。

その賢さは学力と関係があるのか、と感じられるかもしれませんが、

ワーキングメモリの強さにより成績を95%の確率で予測できるという研究もあります。

ワーキングメモリを鍛えるためには、

昔みたいな睡眠時間を使って勉強ではなく、十分な(理想は10〜11時間の)睡眠、

勉強一辺倒ではなく、積極的な運動、

小さい時からドリルではなく、パズル、

一つひとつ積み上げていくのではなく、ゴールから逆算、

などが大切になってきます。

(「毎日の読み聞かせや音読、読書」は昔から言われていて、今でもいいとわかっている方法です)

ダルビッシュ有選手や大谷翔平選手など、スポーツの世界の最前線でやられている方がやっていることを研究していると、おもしろいことに学習や勉強にもつながることがたくさん見つかるのですが(そういうのが趣味なのです)、

これからも、世の中はどう変わっていって、そのためにどうしていったらいいのか研究し、保護者さまと共有していきたいなと思います^^

何回見てもいいな〜と思うある子の宿題^^

遊んでいるようなのに頭がいい子がやっていること

先日、授業終わりにお迎えにいらっしゃったお父さまとお話したときのこと。

もう教室に4年以上通ってくれていて、いつも笑顔。勉強以外のことにもたくさんチャレンジし、実力だめしに受けに行った模試の成績などもすごくよかったりする子なのですが、

「いっつも遊びに行ってるみたいなんですがうちの子って勉強してます!?」

といわれました。

たしかに、世間話をするように教室にきて(いつも「あんな〜今日な〜」と報告を受けています)、授業中はむずかしいことをやってはいるけどどんどん質問をしながら取り組み、ツッコミをいれ(言葉の発達により年々鋭さを増してきています)終わった後もみんなを巻き込んで遊び、時間になったら「じゃあね〜」と帰っていく。

先生たちみんなが、「こんな風になってもらえたらいいよね」と思ってやっていることを見事に体現してくれている子だねといっている子ですが、客観的に見ると、遊んでいるようにも見えるのかなと思いました。

でも、社会で活躍する子、リーダーになるような人って、眉間にしわを寄せてがんばっているというよりも、それが好きで楽しんでやり続けているうちに影響力を持ち、まわりを巻き込んでいっているような人なのですよね。

「頭のいい子」というと、どんな子を思い浮かべますか?

集中力が高く、やるべきことをさっと終わらせられる子

優先順位をつけるのが上手で、必要なこととそうでないことを見分けられる子

パッと解決策やアイデアが浮かぶ子

計算や決断が早い子……

じつは、これらはぜんぶ「ワーキングメモリ」という能力によるもの。

「IQ」を賢さだと思われている方もいますが、IQはあくまで「知っていること」。

お金をかけ、いろんなことをやれば伸ばすことができたりします。そして、将来の成功にはほとんど相関性はないということがわかっており、情報自体は探せば見つかる21世紀の将来の成功を測る物差しとしては最適ではない、とアメリカの心理学者などもはっきりと言っています。

21世紀型の賢さ、「知識を使って何かを生み出す」というのは「ワーキングメモリ」のやることなのですね。

ワーキングメモリの強さにより成績を95%の確率で予測できるという研究もあります。

低学年のクラスだと、とくに「ワーキングメモリの強化」というのを大きな目的のひとつとしてやっていますが、それらが育っているのをみると、これからどんな風になっていくのかなと楽しみにさせてもらっています。

低学年〜中学年のホップクラスを長くやっている子の中には、すごく明るくなったなと感じる子もいますが、ワーキングメモリには感情の切り替えがうまくなり、楽観的になりやすくなる、という研究も。

こんなすごいことだらけのワーキングメモリ。鍛えない手はありません。

お家でも、

・充分な睡眠(10〜11時間を目安)

・ 毎日の読み聞かせや音読、読書

・ 歩く、走るなどの運動

・ 数独などのパズル

・ ゴールから逆算して考える

・ メモをとる

・ 部屋や机の整理整頓をする

などで鍛えることができます。

ぜひ、やってみてくださいね^ ^